TOP

078-794-1234
当院は予約制となっております。
オンライン診療

渡航者の方へ

海外渡航時

海外赴任や留学、旅行など、海外渡航の際、ワクチンによって予防することのできる病気が少なくありません。また、入国にあたって必ず接種が必要とされるワクチン(当院では黄熱病ワクチンの取り扱いはございません)や、学校への入学の際にワクチン接種の証明書が必要とされる場合もあります。
当院では、国内で承認を得ているワクチンに加えA型肝炎、腸チフス、狂犬病、日本脳炎、ダニ脳炎の輸入ワクチンを揃え、健康相談、現地での生活に関するアドバイス、時差ボケ対策、高山病予防薬(随時取り寄せ)、マラリア予防薬(随時取り寄せ)などを通じて渡航先での皆さまの健康を守るためお手伝いをさせて頂きます。

ワクチンによっては、複数回の接種を要するもの、免疫がつくまでに一定の時間を要するものもありますので、海外渡航が決まりましたら、早めにご相談ください。


※海外渡航時には、厚生労働省の提供しているホームページ「FORTH厚生労働省検疫所」(海外における最新の感染症情報が網羅されています)、「MOFA 外務省 海外安全ホームページ」が参考になります。

FORTH厚生労働省検疫所(外部サイト)
MOFA 外務省(外部サイト)
英国NHSの渡航者向けのホームぺージ
米国CDCの渡航者向けのホームページ

渡航前相談

当院では渡航前相談は『メール』にて受け付けております。海外渡航がお決まりになりましたら下記の『お問合せはこちら』よりご相談ください。
国際旅行医学会認定医TMが渡航先、旅行形態、滞在期間、御予算に合わせてワクチンを推奨させて頂きます。高山病、マラリアの予防薬についてもご相談頂けます。(当院で取り扱いしていないワクチン:黄熱病、一部の輸入ワクチン、については他院での接種をお願いしています。)

※個人情報の取り扱いについて
過去の接種歴を確認させていただくため、母子手帳やワクチン接種証明書などのご提出をお願いすることがございますが、個人情報の取り扱いには十分留意し、渡航ワクチン接種及び接種証明書作成以外の目的には使用することはございません。

当院で取り扱うワクチン

国内未承認ワクチン
種類 接種量 料金 (税込) 初診料 接種回数 持続期間 接種可能年齢
A型肝炎
(Havrix1440)
1.0ml 13,000円 2回 約20年 19歳~
A型肝炎小児用
(Havrix720)
0.5ml 12,000円 2回 約20年 1~18歳
A型・B型混合ワクチン
(TWINRIX)
1.0ml 13,000円 3~4回 長期間 18歳~
B型肝炎小児
(EngerixB)
0.5ml 8,500円 3回 長期間 ~19歳
B型肝炎
(EngerixB)
1.0ml 8,500円 3~4回 長期間 20歳~
腸チフス
(TyphimVi)
0.5ml 9,500円 1回 約2年 2歳~
成人用三種混合ワクチン
(Tdap)
0.5ml 10,000円 1回 約10年 11歳~
狂犬病
(Verorab)
0.5ml 12,000円 3回 - -
髄膜炎菌B
(Baxsero)
0.5ml 28,000円 2回 10~25歳
コレラ経口ワクチン
(Dukoral Oral)
3ml(経口) 14,000円 (2回分) 2~3回 約2年 2歳~
MMR(Priorix) 0.5ml 9,700円 2回 - 1歳~
ダニ脳炎小児用
(FSME-IMMUN jounior)
0.25ml 15,000円 3回 3-5年 1~15歳
ダニ脳炎
(FSME-IMMUN)
0.5ml 15,000円 3回 3-5年 16歳~
  • ※コレラ経口ワクチン、髄膜炎菌ACWY、髄膜炎菌Bは在庫が無くなり次第取り扱いを中止する予定。
  • ※ワクチンの値段については納入価の変更などで急に変わる場合があります。予めご了承下さい。
初診料、再診料、各種検査、証明書の諸費用
初診料(相談料*) 3,300円
再診料(相談料*) 1,250円
留学前抗体検査
(麻疹、風疹**、おたふくかぜ、水痘)
10,000円
麻疹、風疹、おたふくかぜ、水痘抗体検査
(EIA法)
各4,310円
風疹抗体検査(HI法) 2,780円
A型肝炎抗体検査 3,520円
B型肝炎抗原抗体検査 3,850円
B型肝炎抗体検査 2,880円
ツベルクリン反応 1,100円
HIV抗原抗体検査 3,210円
T-spot検査 8,800円
診断書 3,300円~
英文診断書 5,500円~
マラロン 750円
メファキン 1,000円
COVID-19 PCR検査 27,000円
ビジネス渡航者向け健康証明書発行料 5,500円
  • * 渡航者外来の場合、初診料込みの予防接種を接種された場合も別途相談料を頂きます。
  • ** 風疹のみHI法です。

海外渡航時に推奨されるワクチン

海外渡航時のワクチンとして、接種が要求されるワクチンと、推奨されるワクチンがあります。
黄熱病の流行する可能性がある地域への渡航される場合、黄熱病のワクチン接種が要求される場合があります。当院では黄熱病ワクチンを取り扱っておりませんので、事前に検疫所などへご相談ください。またメッカへ巡礼される場合、髄膜炎菌ワクチンとインフルエンザワクチンの接種が要求されます。
当院では、世界中どこの国に行かれる場合でも、破傷風、麻疹、風疹、おたふく風邪、水疱瘡の罹患歴、接種歴、免疫の有無(抗体検査)を確認し、必要時接種することを推奨しております。
その他、地域別に推奨されるワクチンについては、地域別に推奨ワクチンを挙げさせて頂いておりますのでご参照ください。
どのワクチンを接種するかは、滞在地域、滞在期間、其々の現地での活動内容によるリスク(特にボランティア活動、現地の友人や親せきを訪ねていく場合など)、予算に応じて決めていきます。


渡航地域別推奨ワクチン

…強く推奨 …推奨 
…渡航国・期間によっては推奨

地域 麻疹・風疹 インフルエンザ 破傷風 ジフテリア ポリオ A型肝炎 B型肝炎 狂犬病 日本脳炎 髄膜炎菌 腸チフス コレラ
東アジア -
東南アジア - -
南アジア -
中央アジア -
中近東 -
オセアニア - - -
中央アメリカ - -
南アメリカ - -
北アメリカ - - - - -
サハラ以北アフリカ -
サハラ以南アフリカ -
ヨーロッパ - - - - -

最新取扱いワクチン情報は当院ブログをご確認ください。

推奨

麻疹・風疹・おたふく風邪
麻疹

麻疹は麻疹ウイルスによる感染症で、症状は発熱、咳、鼻水、目の充血、流涙などで、遅れて全身に発疹が出ます。中耳炎や下痢、肺炎を合併することもあり、稀ですが麻疹により脳の障害や死亡に至る場合もあります。

風疹

風疹は風疹ウイルスによる感染症で、症状は発熱、のどの痛み、発疹、頭痛、関節痛です。麻疹に比べると症状が軽く三日はしかとも言われますが、妊娠中の女性が罹ると、流産や、生まれた子供の重大な先天異常の原因となります。

おたふく風邪

おたふく風邪はおたふく風邪ウイルスによる感染症で、症状は耳の下の唾液腺の腫れと痛み(片側または両側)、頭痛、筋肉痛、倦怠感、食欲低下などです。おたふくかぜは聴力障害、脳炎や髄膜炎、膵炎、精巣炎(睾丸や卵巣の腫れ)などを併発し、非常に稀ですが死に至ることもあります。

これらのウイルスは感染した人から人へ、飛沫(全て)や空気(麻疹と水痘)、あるいは接触(水痘)を介して拡がります。感染力は非常に強く、ワクチン接種が始まるまではほぼ全ての人が感染していました。かつての日本はワクチン接種率が低く麻疹の輸出国と言われていましたが、近年は免疫のない日本人が海外で感染、もしくは海外からの旅行者が日本に持ち込むことで、国内でのアウトブレイクが散発的に起こっています。
渡航前にワクチン接種記録、抗体価の確認をし、免疫が十分でない方にはワクチン接種を行うことを推奨しております。 1972年~1990年に生まれた方は、麻疹、風疹について定期接種では1回しか接種出来ておらず免疫が不十分な可能性があります。 水痘は最近、定期接種化されましたが、おたふく風邪は未だに任意接種となっております。 水痘、おたふく風邪の既往のない方は、渡航前に接種記録、抗体価を確認することを推奨します。

水疱瘡

水疱瘡は水痘帯状疱疹ウイルスによる感染症で、症状は、痒みを伴う発疹が特徴で、発熱、倦怠感、食欲低下、頭痛などを伴うこともあります。通常は軽くすみますが、皮膚の感染症、肺炎、脳炎、髄膜炎などを起こし入院が必要になる場合もあります。

破傷風・ジフテリア・百日咳
破傷風

破傷風菌は世界中の土壌にいて、傷口などに破傷風が感染することによって感染します。感染すると、筋肉がこわばって、体全体が痛みます。更に顎が動かなくなって、口を開けたり飲み込んだりが出来なくなったり、息が出来なくなることもあります。破傷風を発症した場合、最善の治療を受けても10人中1人は死亡します。当院では全ての渡航者に対して接種を推奨します。 1968年以前に生まれた方は、定期接種での破傷風トキソイドの接種歴がない可能性が高く、基礎免疫として3回接種が必要です。 1969年以降に生まれた方は、1回の追加接種で問題ありません。基礎免疫を獲得後は、10年ごとの追加接種を推奨します。 免疫が不十分な状態で渡航しても、現地で怪我をしてからすぐに医療機関を受診し、適切な医療を受ければ破傷風の発症を防ぐことはできますが、 軽い怪我で破傷風を発症することもあり、事前の接種が望ましいと考えます。

ジフテリア

ジフテリアに感染すると、喉の奥に厚い膜が出来て、呼吸困難、心不全、麻痺に進展し、死に至る場合もあります。日本では馴染みのない病気ですが、旧東ヨーロッパ諸国、ロシア、及びアジア、アフリカの途上国への渡航時には追加接種を推奨します。紛争や自然災害後に、ワクチン接種率が低下すると発生します。

百日咳

厳密には渡航者用のワクチンではありませんが、当院では破傷風、ジフテリアのリスクのある国へ渡航される方で、10年以内に子供を持つ可能性のある方、及びその家族を中心に破傷風、ジフテリア、百日咳の混合ワクチンの接種を推奨しております。 百日咳は元々子供を中心に流行する病気でしたが、定期接種化されて以降、大人で流行することがしばしばあり、流行期に新生児が感染し重症化することが問題となっています。 元々百日咳は子供の病気と考えられており、DPTとして乳児から幼児期にかけて4回接種し、11歳時には百日咳を抜いたDTを接種していましたが、海外では既に大人用の3種混合ワクチン(Tdap)として商品化され10年以上前から全ての大人に対して11歳以降に必ず1回接種するように推奨されております。更に女性に関しては妊娠する度に追加接種することが推奨されています。日本でもようやく子供用のDPTを大人でも使用できるようになりましたが、定期接種化には至っていません。

インフルエンザ

ヒトヒト感染。北半球では冬から春にかけて流行することが多いですが、南半球では流行時期が逆になり、熱帯から亜熱帯では年中流行している。流行時期には全ての渡航者に対して接種を推奨します。

コレラ(在庫がなくなり次第取り扱い中止)

コレラはVibrio Choleraという細菌に感染することで発症する病気です。衛生状態の悪い場所で、菌に汚染された水、食べ物の摂取で感染します。症状はひどい下痢と嘔吐です。世界では毎年10万人近くの方がこの病気で亡くなっています。洪水などの自然災害、戦争、内戦後に流行することあり、国際ボランティアなどに参加する方に推奨します。

ワクチンの接種方法

※コレラの約85%、毒素原性大腸菌の約60%、旅行者下痢症全体の約23%を予防可能。
*接種から3年以上経過した場合は、最初からやり直しになります。

A型肝炎

A型肝炎ウイルスによる深刻な肝臓の病気です。A型肝炎は感染者の排泄物(糞便)を介して人から人へうつります。ウイルスに汚染された水、食べ物の摂取、もしくはヒトヒトでの糞口感染が主な感染経路。西欧、北米、オーストラリア以外の全ての国へ渡航される方に接種を推奨します。

ワクチンの接種方法

※時間がない時、国産、混合ワクチンで2回目まで、輸入の単独ワクチンの場合は1回目までで一時的な免疫はつきます。
※混合ワクチンであれば1カ月以内にA型、B型肝炎共に免疫をつけることが可能です。但し1年後に追加接種を推奨します。

B型肝炎

B型肝炎ウイルスによる深刻な肝臓の病気です。感染すると急性肝炎を起こし、慢性化すると肝硬変、肝細胞癌の原因になります。B型肝炎はB型肝炎ウイルスに感染した血液、精液、その他の体液が非感染者の体内に入ることで伝染します。ウイルスの感染経路は以下が挙げられます。出産(母親が感染者の場合、出産時または出産後に子供に感染する可能性があります)、感染者とカミソリ、歯ブラシなどを共用、感染者の血液・傷口に接触、感染者との性行為、注射器・注射針・その他薬物注入器具の共用、針刺し事故など。
当院では、医療関係者、長期滞在者、子供、途上国への医療ツーリズムなどで接種を推奨します。

ワクチンの接種方法

※時間がない場合、輸入の混合ワクチンでは1カ月、輸入の単独ワクチンでは2か月で免疫をつけられます。
※B型肝炎ワクチンを3回接種しても免疫がつかない場合があり、3回接種後1カ月を目途に抗体検査を行うことを推奨します。

日本脳炎

感染した蚊により媒介される。感染しても殆どの場合発症しませんが、ごく稀に(<1%)発症し、急性脳炎などを起こします。急性脳炎を発症すると約20-30%の方が死亡し、生存出来ても30-50%の方に深刻な後遺症が残ります。
主に夏季を中心に流行しますが、熱帯地域では年中感染のリスクがあります。流行地域に長期間滞在される方、短期間でも田舎に滞在される方、サイクリングやキャンプなど野外活動される方に接種を推奨します。

ワクチンの接種方法

※定期接種での推奨期間は第1期 6か月-90か月(3-4歳推奨)、第2期 9歳-12歳。平成7年4月2日生まれから平成19年4月1日
※生まれの者のうち、7歳6カ月以上9歳未満の者及び13歳以上20歳未満の者についても定期の予防接種の対象とする。
※当院ではリスクの高い地域へ渡航する方へ5年-10年毎の追加接種を推奨。

狂犬病

感染した動物の唾液の中にウイルスが存在し、感染した動物に咬まれたり、引っかかれたり、舐められることで感染します。咬まれてから数週から数か月後に、痛み、倦怠感、頭痛、発熱、過敏症等の症状が出現し、その後けいれん、幻覚、及び麻痺などが出て、ほぼ100%死亡します。世界では40,000人から70,000人の方が狂犬病で亡くなっています。
咬まれた際に、速やかに曝露後予防を行う必要があり、医療機関にすぐアクセスできないような地域に行く可能性がある方に接種を推奨します。曝露前予防でワクチン接種を受けている方でも、曝露後に追加のワクチン接種が必要となります。

ダニ媒介脳炎

日本ではあまり知られていませんが、世界的にみれば毎年1万人以上の方が発症していて、近年増加傾向にあります。ヨーロッパでは春から秋にかけてでは流行します。
ヨーロッパ亜型、シベリア亜型、極東亜型があり、日本でも北海道で報告されています。
ヨーロッパ亜型では、ダニに噛まれてから2週間程度の潜伏期間を経て発症しますが、70〜98%は不顕性感染で発症しても症状は出ません。症状は2峰性でまず発熱、頭痛、眼窩痛、全身の関節痛、筋肉痛が1週間程度続き、治った頃に痙攣、めまい、知覚症状などの中枢神経症状が出ます。致死率は1〜2%ですが、10〜20%で後遺症が残ります。
シベリア亜型、極東亜型はより重症で致死率、後遺症が残る可能性共に高くなります(フィンランドとバルト三国はシベリア亜型)。
感染経路はダニによる刺咬と、ウイルスに感染した山羊の生乳の摂取とされています。
どの型でも流行地域で草叢などに入る時に、服装に注意し、適切な忌避薬を使うことと、ワクチン接種が有効です。

ワクチンの接種方法

*2回目は2週間後でも可。

腸チフス

腸チフスはSalmonella typhiによる感染症で、症状は高熱、倦怠感、腹痛、頭痛、食欲不振などです。治療しなかった場合、死亡率は30%に上り、一部の人はキャリアになり、感染を周囲に拡げてしまいます。菌に汚染された食べ物や飲料の摂取で感染します。近年は本来効くはずの抗菌薬の効かないSalmonella typhiが多く検出されるようになり問題となっています。

ワクチンの接種方法
髄膜炎菌

髄膜炎菌と呼ばれる細菌による感染症です。発症すると髄膜炎や菌血症、敗血症に進展し、適切な治療が行われても死亡率は15%、聴力障害、脳の損傷、腎機能障害などの重い後遺症が10-20%の人に残ります。髄膜炎菌性髄膜炎の特徴は、健康な人でも感染し、突然発症し、症状の進行が早く1日も経たないうちに重篤化します。髄膜炎菌は密接な接触(まわし飲みやキス、咳)や長時間の接触、特に同居者の間で、人から人へと感染します。どの年代でも感染、発症しますが、1歳未満の乳児、16-23歳の青年及び成人、免疫力が衰える病気にかかっている場合に危険性が増します。一人感染者が出ると瞬く間に周囲に感染が拡大するため、軍隊への入隊時、入寮時などに事前に接種が求められることが多いです。
髄膜炎菌の血清型には少なくとも12種類ありますが、多いのはA・B・C・W・Yです。
メッカへの巡礼の際にはワクチン接種と接種証明書が要求されます。アフリカの髄膜炎菌ベルトと呼ばれるエリアを乾季に訪れる場合は接種が必要です。また、欧米では定期接種化される国が増えており、留学の際に接種を要求されることが増えています。

ワクチンの接種方法

*1:HIV感染者、無脾症、補体欠乏症、ソリリスの投与を受けている人は8-12週開けて2回投与

ポリオ

ポリオは、感染した人の一部に麻痺(手足を動かすことができない状態)が出て、一生後遺症として残る場合もあります。また呼吸を行う筋肉が麻痺した場合は死亡に至る場合もあります。かつては日本でも流行していましたが、有効なワクチンが導入され、現在国内では撲滅されました。しかし、世界の一部の地域では依然として発生しています。ひとたびウイルスが持ち込まれると日本でもポリオが再発する可能性があり、世界中でポリオが根絶されるまでは、予防接種を続ける必要があります。
ポリオ発生国へ渡航する人(特に4週間以上滞在される場合)は、渡航1年以内のポリオの追加接種を検討してください。2019年3月6日現在のポリオ発生国はインドネシア、パキスタン、パプアニューギニア、コンゴ民主共和国、ソマリア、ナイジェリア、ニジェール、モザンビークです。4月以降にエチオピア、ミャンマー、ベニン、中国、アンゴラでも新たにポリオ患者が発生しており、これらの国へ渡航を予定されている方にも同様にワクチン接種を推奨しております。
先進国へ渡航する場合、日本の接種回数では不十分とみなされ追加接種を要求されることがあります。

留学時に必要なワクチン

海外へ留学する場合、留学先のワクチン接種プログラムに準じたワクチン接種が要求される場合があります。
例として、米国へ留学する際には、以下の、予防接種の証明が要求されることがあります。

麻疹・風疹・おたふく風邪・水痘

2回接種、もしくは既往歴+抗体検査で抗体価陽性の証明が要求されます。風疹、おたふくかぜについては1回でも可の場合があります。

水疱瘡

2回接種、もしくは既往歴±抗体検査で抗体価陽性の証明が要求されます。

破傷風

日本では1歳半までに4回接種し、その後11歳から12歳にDT(5分の1量)を1回追加となっていますが、海外では4-6歳でDPT、11-12歳でTdapを接種することが多くなっています。更に、最後の接種機会より10年以上経過している際は追加接種が必要。(当院では大人用の三種混合ワクチンTdapの接種を推奨しております。)

ポリオ

米国への留学では4回以上の接種(生ワクチン、不活化ワクチンを混ぜてもOK)、うち1回は4歳以降に接種していることが求められます。

髄膜炎

感染力が強く集団生活で感染が拡大することがあり、寮に入る方に対して1回の接種を要求される場合があります。

結核

ツベルクリン反応もしくはQFTを要求されることがあります。陽性の場合は胸部レントゲン写真を追加が必要となります。
当院では英文診断書の作成にも対応させて頂きます。

マラリア予防内服

マラリアの流行地域への渡航の際には、マラリアの予防内服を推奨します。当院ではマラリアの予防内服薬として、マラロンとメファキン、ビブラマイシンを準備しています。
マラロンは副作用が少なく、また服用が必要な期間も現地到着の2日前~帰国後7日間と短いですが、毎日の服用が必要で、また費用が高めですので、短期間の旅行でお勧めします。
メファキンは、1週間に1回の服用でよいですが、現地到着の2週間前より服用を開始する必要があり、更に帰国後も4週間服用が必要となるため、長期間現地に滞在する方で費用を抑えたい方にお勧めします。抑うつなどの精神症状が副作用としてあり、精神疾患やてんかん発作をお持ちの方へは禁忌となっています。また心臓の伝導障害をお持ちの方にも推奨できません。
ビブラマイシンは、値段は安いですが、肝機能障害が出やすく、また副作用に光線過敏症があり、当院では上記の2薬剤が使用できずやむを得ない場合のみ処方しております。現地到着の2日前から服用開始し、帰国後4週間の継続が必要です。

ワクチンの副作用について

薬の副作用と同様に、予防接種にも副反応が見られる場合があります。多くの場合、症状は軽く、自然に治まりますが、極まれに深刻な副作用が起きることがあります。

ワクチンの副作用として接種部位の痛みと発熱があります。これらの症状は通常接種直後に現れ1-2日続きます。

予防接種後に失神し、転倒し怪我をする場合があります。当院では接種後15分間は座るか、横になることを推奨しています。接種後に眩暈や視力の変化、耳鳴りなどを感じた場合はすぐにスタッフに伝えてください。特に過去に採血もしくは予防接種後に失神したことがある方は、横になった状態で接種させて頂きますので事前に声を掛けてください。

接種部位の痛みが長く続く場合、腫れる場合もありますが、殆どの場合、自然に軽快します。

ごく稀(百万回に1回程度)ですが重いアレルギー反応が起こる場合があります。通常、接種後数分から数時間で始まります。接種後に蕁麻疹、顔や喉の腫れ、息苦しさ、動悸、眩暈、倦怠感などの症状が出た場合はすぐにスタッフに教えてください。稀に遅れて重いアレルギー反応が出ることがあります。医院を出てから症状が出た場合は、救急車を呼ぶか、最寄りの医療機関を受診してください。

WHO INTERNATIONAL TRAVEL AND HEALTH より引用

予防接種後に重篤な障害や、死亡する場合は非常にまれですが、万が一の際、国内承認ワクチンについては医薬品副作用被害者救済制度の利用ができますが、国内未承認ワクチンについては救済制度が利用できません。代わりに輸入業者による輸入ワクチン副作用被害者救済制度が設けられております。当院では、この制度を導入している業者からのみワクチンを輸入しております。