海外渡航後の発熱、下痢について

お盆休みもそろそろ終わりますが、休みを利用して海外へ渡航された方も多いのではないでしょうか?
海外渡航後に体調を崩した場合、渡航先と症状が出るまでに要した期間で、病気が推測出来ます。
渡航中、渡航直後に熱が出た場合に多いのはインフルエンザです。今の時期、日本では珍しいですが、南半球では今が最盛期、東南アジアでは年中流行しています。念のため、医療機関を受診し検査しておくことをお勧めします。 海外で蚊に刺されて1週間以内に発熱、頭痛(特に目の奥)などの症状が出た場合、デング熱の可能性があります。現在、熱帯、亜熱帯地域で大流行中です。1度熱が下がった後に再度熱が出て、四肢に発疹が出ます。この時期に出血熱を合併することがあります。今年はタイでチクングニヤ熱が流行しています。デング熱とよく似ていますが、関節痛が出るのが特徴です。
デング熱、チクングニヤ熱にかかる可能性のあるエリアへ渡航された方は、解熱剤や痛み止めにはアセトアミノフェンを使用して下さい。
国内にもデング熱を媒介する蚊がいるため、海外渡航後には蚊に刺されないよう注意して下さい。
帰国後1週間から2週間に発熱、発疹が出てきた時は麻疹や風疹の可能性もあります。
2週間前後で発熱する時、マラリアや腸チフスにま注意が必要です。
熱帯地域(特にアフリカ)で蚊に刺された場合は、マラリアの可能性を考える必要があります。マラリアの場合、強い倦怠感が特徴です。マラリアには4種類ありますが、アフリカ帰りで多い熱帯熱マラリアの場合、5日以内に治療開始されなければ致死的になるため、心配な場合はすぐ病院に行って下さい。東南アジアや南米では三日熱が多いですが、決して油断は出来ません。
インド帰りで発熱、下痢(必須ではありません)があった場合には腸チフスの可能性があります。腸とつきますが、発熱した時には全身に菌が回る菌血症の状態で、多くの場合入院での治療が必要となります。稀ですが、腸が破裂してしまう場合もあり安静が必要となります。
下痢の原因としてノロなどのウイルス、大腸菌、サルモネラ、キャンピロバクター、コレラなどの細菌、赤痢アメーバなどの原虫がありますが、命に関わることはほとんどありません。しかし、高熱、5回以上の下痢、血便、食事が取れないなどの症状があれば受診を検討して下さい。場合によって抗菌薬加療、点滴、入院が必要になる場合があります。
インドや中南米から帰国後にはランブル鞭毛虫、赤痢アメーバなどの原虫による下痢がよく見られます。下痢が長く続く時は早めに相談して下さい。
発熱、下痢とは話がずれますが、海外で犬に噛まれたり、怪我をした方は狂犬病や破傷風にかかる可能性もあり、曝露後予防が必要です。当院でも対応させて頂きます。